第6回 臨済宗黄檗宗各派本山 雲龍図

 今回は、全国の臨黄各派本山の雲龍図などを展示いたします。
龍は仏の教えをたすける八部衆の一つで龍神と呼ばれます。そのため多くの本山では、住職が上がって仏法を大衆に説く法堂(はっとう)の天井に龍 が描かれ、それが法の雨(仏法の教え)を降らすという意味や、龍神が水を司る神であるため、火災から護るという意味 がこめられます。
どの龍もそれぞれ特徴があり、目を見張るべき迫力に圧倒されます。通常は一般公開されていない場合もありますが、機会があれば是非実際の雲龍図をごらんください。
なお、各派本山の許可を得て掲載しておりますが、写真の無断転載は厳禁と致します

  まだ掲載されていない本山は準備中です。順次公開してまいります。

妙心寺

法堂天井 雲龍図
ご開山関山慧玄国師の300年忌を記念した法堂の建造にともない、狩野探幽が55歳のとき、8年の歳月を要して描きあげたとされる。直径12mあり、龍の目は円相の中心に描かれるが、立つ位置、見る角度によって、龍の表情や動きが変化するように見え、通称「八方にらみの龍」という。重要文化財。


萬福寺

法堂などに龍図は描かれていませんが、山内の伽藍の配置により龍をあらわしています。

[放生池(ほうじょういけ)]
放生とは捕らえられた生き物を放して功徳を積むことで、この池で放生会という儀式が行われます。またこの池は、龍の心臓部分 をあらわしています。

[龍目井(りゅうもくせい)]
黄檗山全体を龍の体にたとえ、この井戸は龍の目を、周辺の小川は口を、松はひげをあらわしています。

[石條]
龍の背の鱗をモチーフ化したものです。

[蛇腹天井]
黄檗天井ともいい、龍の腹を表わしています。本堂のほか、法堂、開山堂の主要建造物の正面一間分の軒下の垂木はこのように丸く、かまぼこ型をしています。

放生池 龍目井 等の由来 

龍目井 石條 蛇腹天井


南禅寺

法堂天井 雲龍図
今尾景年(1845-1924)筆。


建長寺

法堂天井 雲龍図
1814年(文化11年)に再建された建長寺の法堂には、これまで天井画がなかったが、建長寺創建750年記念事業として、平成14(2002)年、法堂天井に約80畳の小泉淳作 筆の雲龍図が掲げられた。


東福寺

法堂天井画龍
堂本印象の筆。東西十二間南北六間の天井一面に描かれている。画龍延長百八十尺。胴の周り二十二尺六寸、珠の直径五尺二寸、顔の長さ十二尺、角の長さ十四尺、眼の直径二尺の大作。此を僅か十七日で完成させられた。



円覚寺

法堂天井 雲龍図
前田青邨監修、守屋多々志筆。


大徳寺

法堂天井 雲龍図
狩野探幽、35歳の筆。ゆるいドーム状になった天井に画かれた龍は「鳴き龍」と呼ばれ、地面の敷瓦の上で手を叩くと、天井の龍もズウゥゥンと共鳴して音をたてます。


方広寺

虹梁に龍の彫刻
半僧坊真殿の紅梁に上り龍と下り龍の彫刻が施されている。


永源寺

開山堂天井 龍図




天龍寺

法堂天井 雲龍図
平成9年、加山又造筆。


相国寺

法堂天井 蟠龍図
慶長10年(1605)相国寺の法堂が五建された際、狩野光信によって画かれた本図は、円相内にその全容をくっきりと描き出されていて、彩色も実に綺麗に残っています。円相外に雲が画かれていたのですが、剥落し、今は僅しか残っていません。堂内
中央付近で手をたたくと、天井に反響してカラカラという音が返ってくるので、一名「鳴き龍」ともよばれます。


建仁寺

法堂天井 雲龍図
平成14年4月、建仁寺開創800年を慶讃して、法堂大天井に奉納されたもの。小泉淳作筆。108畳の大きさ。


向嶽寺

法堂天井 雲龍図
作者・制作年不詳



佛通寺

法堂天井 雲龍図
文化7年、備中松山の画工、菅南山筆。


国泰寺

方丈天井 雲龍図