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 坐禅は何を目標にするのかは、不充分ながら以上で大体は分かって頂いたとして、さて、では坐るのにはどうすればよいのでしょうか。

 坐禅に関する威儀作法を述べた『坐禅儀』という書物に、

「乃ち諸縁を放捨し、万事を休息し、身心一如にして、動静間なく、その飲食を量るに、多からず少なからず、その睡眠を調うるに、節ならず恣ならず」。

とあります。できるだけ簡単にこの言葉を説明してみます。

 「諸縁を放捨せよ」というのは、外界の影響(耳に入ってくる騒音、皮膚に感じる寒暑、鼻にふれる匂いなど)から離脱し、頭をカラッポにしてかかれということでしょう。

 「万事休息し」とは、「休」も「息」も、どちらもやめるとかやすむとかいう意味の文字ですから、いっさいの事柄との関わりを止めることになりましょう。さきの「諸縁を放捨」するのが外境の遮断だとすれば、「万事を休息し」は、内部感覚の休止ということだとおもいます。そのようにして初めて達磨大師のいわれたように「心、墻壁の如く」で、心をきり立った絶壁のようにして何ものをも寄せつけない状態になることができるでしょう。

 「身心一如にして、動静間なく」とは、形相をもった身体と、無形の心とが不二一体のものとして融合し、しかもあたかもコマが最も高速度で回転しているとき、かえって静止して見える、あるいはプロぺラの回転しているとき、プロぺラはないように見えますが、そのようにあれということでしょう。

 次に「その飲食を量るに、多からず少なからず、その睡眠を調うるに、節ならず恣ならず」とあります。『摩訶止観』にはさらに詳しく、事前の方便の4番目に、「食・眠・身・息・心の五つを調えよ」とあり、この「五事善からざれば禅に入ることを得ず」とありますから、この五つの条件がよく調わないと、禅定に入ることを妨げられるというのです。そして五事のうち「眠・食の両事は定外に就てこれを調う」とありますから、睡眠と食事は坐禅中以外の日常生活の間、もしくは坐禅を行う前に調えておくべきものだというのです。身・息・心の「三事は入・出・住に就てこれを調う」べきものだとされています。

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