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花園禅塾 ボランティア活動〈第三陣〉◆総括◆

 4月5月の第一陣は瓦礫の山や泥土の撤去から水につかったままの家屋内の荷物の運び出しの作業に従事し、避難所での食事提供や子ども達への家庭教師。8月の第二陣では整備されつつある被災場所の環境整理、仮設住宅へ引っ越しが始まり生活用品の搬入や閉鎖していくなか唯一残っていた避難所での傾聴。そして今回の第三陣11月と、約3ヶ月間隔での現地入りとなっているが、求められる内容というのはだいぶ限られてきている。
 第一・二陣では被災地で活動をする中で、我々が逆に被災地の方々から元気をもらったという感想であった。しかし、今回初めて我々から元気をもらったという感想をお聞きした。
 今後は、被災者が何を望んでおられるのか。直接な被害は無いが被災地で生活を続けている方々はどのようなことを考えているのか。継続的に支援を続けていくためには現地で活動を続けている方々と情報を交換し、共有できるように繋がっていなければならない。
◆「復興祈願応援奉詠」
 11月の現地入りを企画し始めたのは、第二陣が現地へ入る前のことである。谷藤指導員が僧籍をおく東北教区で御詠歌の講習会(大会)を例年通りに開催するという情報を入手したことに始まる。東北教区の沿岸部は地震、特に津波による甚大な被害をうけ、内陸部でも地震の後の余震でも大きな被害に遭った。また多くの方が犠牲となった。家族や家、仕事を失うなどの状況では到底御詠歌の講習会(大会)はできるはずがないという見方があったが、あえてそれでも起ちあがっていかなければ、一歩踏み出さなければという熱い思いにより開催に到ることになったそうである。我々の御詠歌支部「天籟会」は、1・2回生の禅塾生と3・4回生の卒塾生を中心に組織している。毎年、無相教会本部主催の全国奉詠大会に参加させていただいている。全国の会員様が天籟会の登壇を楽しみにしてくださり、また和尚様方からも応援をいただいて、我々にとっても活動の励みとなっていた。全国奉詠岩手大会参加から15年程経った。東北の会員様方はなかなか、本山での大会や地方での全国大会へ出向くことが難しい。ましてや、今年は大震災の影響があり、本山での第61回大会へ参加される東北の支部は少なかった。楽しみにしてくださっている会員様方に天籟会の奉詠を届けたい。ならば、こちらから出向いてはどうかということが発端である。始めは、全員ではなくとも大会入りする谷藤指導員と共に数名で出向くことも考えた。しかし、継続的に赴きたい学生の他、第一・二陣に参加したくても参加できなかったものが現地入りを望み、また東北出身の学生が同行に賛同したりと、どんなことでも支援を現地で行いたい、私達にしかできないことがあるとするならば・・・ということで全員で出向き、天籟会支部として東北教区大会の舞台に登壇することを決めたのである。学生達には高額であろう大会参加費を自費負担してまでも参加をしてくれたことに覚悟を感じた。
 大会の開講式で教区教化主事和尚様による震災被災状況が報告され始まった。報告に涙される会員様方を見て、昨年までとは違った特別な意味が込められ、その雰囲気を感じた。登壇奉詠が進み、最後に天籟会の出番となる。全国奉詠大会のあとでもあり稽古を積んでいた。前に座る会員様を向き、力いっぱいの声で46人の息を合わせ奉詠をする。その姿に「はるばる京都から自分達の為に御詠歌をお唱えしに駆けつけてくださった」「若い人達の声に元気をもらった」と涙を流して喜んでくれる方が大勢いたという。登壇奉詠のみならず、薬石懇親会の席で、急遽舞台上で歌を披露した。自然と全員が舞台に上がり、手を繋ぎ肩を組み歌う姿は、妙心寺派河野太通管長猊下より揮毫いただいた「手を把って共に行かん」というスローガンを垣間見た気がした。この光景にも会員様方は涙を浮かべ、「前を向かなくては。元気をもらった」とおっしゃったと聞く。
◆「仮設住宅地訪問活動」
 今回の活動目的にはもうひとつあり、第一・二陣で足を踏み入れていない宮城県での支援活動である。今までは行程上、活動ができなかった。禅塾と関わりのある宮城県塩竃市の東園寺住職様が中心とする仲間の和尚様が近くの仮設住宅で継続的に炊き出しをしながら傾聴をするなど、被災者に寄り添う活動を地道に続けておられることを知った。そこで、我々もお手伝いさせていただけないかと相談をした。前述の東北教区開催行事参加と併せての宮城県での活動に快く引き受けてくださった。炊き出しの支度から事前のポスティングなどお世話になった。東園寺様方が地道な活動を続けてこられた為、住人の方、責任者の方々とのコミュニケーションがとれていて、当日は沢山の方が訪れてくださった。特に餅つきでは、学生が餅をつき、まわりには仮設住民の方々が囲み、自然に歓声や掛け声があがる光景は印象的であった。炊き出しは、つきたての餅をあんことごまで和え、他におでんと呈茶をした。学生を縦割りの班に構成し、ポスティングと呈茶班、お餅班、おでん班に分けた。ポスティングでは一軒一軒足を運んでいただくように声をかけてまわり、配達もできると御用聞きも同時に行った。年配の方や身体が不自由な方には、家まで同伴し届けるなど丁寧に接していた。お餅は大好評で途中数が足りなくなってしまった。学生は小雨の降る中、笑顔でそして黙々と住民に寄り添っていた。住民の方には事前の告知もあり、大勢集まっていただけ喜ばれていた。

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第三陣の全体活動報告はこちらのPDFで。

FACEBOOKページ "東日本大震災-禅僧たちの活動"も御覧ください。

by 管理者  at 13:43
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