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訓注 大圓寶鑑國師語録並年譜

商品番号
gudo_goroku
10,476 円(税込)
数量:
訓注 大圓寶鑑國師語録並年譜
発行-愚堂禅師350年遠諱事務局
訓注-能仁晃道

特別頒布品につき数量限定。直販限定
10,000円 B5判・上製・572頁(2010.10)



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 本書は、大円宝鑑国師愚堂東寔禅師(1577~1661)の『語録』、及び『年譜』に、訓読と注釈を附したものである。禅師の三百五十年遠諱記念として、愚堂禅師三五〇年遠諱事務局より刊行されたものである。 愚堂禅師の『語録』資料で、最も基礎となるものは、伊勢中山寺に遺されている法嗣雪潭豊玉和尚の筆による収集草稿本である。冊数の数え方が問題だが、現在は四冊に分けて保存されている。
 この雪潭和尚の収集草稿本(中山寺本)を、愚堂下六世・八百津大仙寺十四世の康林祖寧が考訂して刊行したのが、現在流布している、『宝鑑録』三巻本である。寛政九年(1797)六月、洛陽の柳枝軒・聚文堂から出された。既に中山寺本より百三十年が経過しているが、本書は、これを、底本に用いて、通し番号を付した。
 次に、八百津大仙寺に、『宝鑑録拾遺』と題される草稿本が遺る。これは、誰の手になるものか不明で、年月日も記されていない。『宝鑑録』にもれた書簡や聯句などを集めた、全二十二丁の薄いものである。

 本書は、底本と中山寺本とを照合し、文字の異同や、詩題の相違などを注記した。また、中山寺本や『宝鑑録拾遺』にあって、底本に収録されていないものはすべて拾い(但し、『拾遺』に載せる二点の棟札は外した)、底本の該当部門に補い、通し番号に(補遺)と記し、「中山寺本に拠る」「『宝鑑録拾遺』に拠る」などと注記した。
 さらにこの度、同じく禅師の三百五十年遠諱を記念して、『大円宝鑑国師墨跡集』が刊行され、全国の諸寺院・諸機関から、禅師墨跡の写真が多数集められた。その真筆資料の中で、底本・中山寺本・『宝鑑録拾遺』に未収録のものも補遺し、所蔵者名と、『墨跡集』の図版番号を注記した。よって本書は、現在収集可能な限りの禅師の語を集めた、平成新修『宝鑑録』とも呼べるものとなった。

 『大円宝鑑国師年譜』(『愚堂年譜』と略す)は、雪潭和尚が編輯し、美濃真正寺の安山玄永が考証の任に当たった。
 『愚堂年譜』は、未だ開版されたことがなく、中山寺に雪潭和尚自筆の稿本が遺り、その他、訓注者が現在確認している所では、東京大学図書館(「東大本」と略す)、花園大学図書館(「花大本」と略す)、そして、八百津大仙寺(「大仙寺本」と略す)の三箇所に、それぞれ別の写本が所蔵されている。
 「東大本」には、「書蔵 大仙寺 幹事」の印が捺されているが、書写者は不明である。この写本が、いつ大仙寺から放出されたかは分からない。書写者のものと思われる書き入れが多く、未整理の印象が強い。三本の写本の中で、最も古いものと思われる。
 「花大本(今津洪嶽氏旧蔵)」も、書写者は不明である。書き入れなどもなく、段落分け、字下げ、整った書体など、まるで開版のために書かれたもののようである。
 「大仙寺本」は、同寺の康林祖寧の書写で、「宝暦庚辰の年(十年/1760)、中山雪潭老師真蹟の書を得て之れを拝し写す」の記がある。 雪潭和尚自筆本は、まったくの未整理の稿本であり、本書の底本には、「東大本」を用い、他の二本の写本を参考にしたが、この三本の写本に、大きな異同はない。「東大本」の書き入れは、注記に於いて、充分に活用させていただいた。