栞いろは歌  禅のことをもっと…

喫茶去(きっさこ)

臨黄ネット栞「き」 喫茶去(きっさこ)

趙州は初めて来たやつにも、前に一度来たことがあるやつにも、「喫茶去」で通したというのである。そこで、院主が尋ねて言うのには、「あなたは誰が来ても喫茶去とおっしゃるが、それはどういう意味でございますか」と。すると趙州、「おい、院主」と呼んだ。院主が、「ハイッ」と答えると、そこで趙州、「喫茶去」。前に来たやつも喫茶去、初めて来たやつも喫茶去、院主も喫茶去、直日も喫茶去、侍者寮も喫茶去、趙州は誰が来ても喫茶去と答えた。お茶を飲んで行け。

《原典・碧巌録/引用・山田無文著『無文全集』第二巻「碧巌録?」(禅文化研究所)より》

写真 京都/妙心寺 東林院